代表的な実績

代表的な実績

❑ 宇宙飛行士やオリンピック選手の健康管理 

ストレスが胃腸に影響を与えることはよく知られています。肉体的・精神的ストレスの
多い環境下では、ビフィズス菌などの善⽟菌が減少し、悪⽟菌であるウエルシュ菌の
増加が報告されています。
このストレスによる腸内環境悪化の抑制と改善に、ナリネ菌が、
旧ソ連や東欧諸国では、長く使用されています。 
代表的な使用実績として、旧ソ連では、ナリネ菌が極限のストレス下に置かれた
宇宙飛行士の健康管理に使用されていました。しかし軍事機密であるが故に、これまで
一般に公開されることなく厳重に管理されてきました(Akopyan et al., Milk Science, 2004)。 
同様に、オリンピック・スポーツなどの極端な緊張状況では、アスリートの体は、
心理的感情ストレス、強烈な肉体的運動、気候条件の変化、栄養状態など複数の影響
を受けます。
その結果、胃腸間では正常な微生物叢の量の減少および病原性の細菌の増殖
(腸内細菌叢異常)の形で病的変化が発生します。
ナリネ菌は、2004年、ベラルーシ共和国保健体育省並びにスポーツ研究所において、
オリンピック選手の健康管理にも推奨されています。

❑ チェルノブイリ原発事故の被爆者の治療 

ナリネ菌は、1986年に起こった史上最悪のチェルノブイリ原発事故の被爆者の治療
にも使われ、顕著な成果を収めました。 
チェルノブイリの原発事故では処理に当たった作業員ばかりでなく、周辺の子供たち
にも甲状腺がんが多発するなど多大な健康被害が出ました。
その被曝者74名(年齢28-50歳)を3グループに分け、ナリネ菌、ビフィズス菌、
ラクト菌を使用して治療に当たりました。ナリネ菌発酵乳による投与では、20日間で
被験者の約70%に、腸内細菌叢の正常化が認められました。一方、他の2種のラクト菌
とビフィズス菌では腸内細菌叢の改善は見られませんでした。 

❑ 新生児と乳児の腸内細菌叢異常に対する有効性

33名の未熟児(生後2日から)を含むウイルス感染症の新生児と乳幼児(一歳以下)
163名を対象とした治験では、ナリネ菌投与後、入院初日からラクトバチルス菌や
ビフィズス菌の増加が観測され、腸内細菌叢の改善が見られました。また、液状便から
の回復が早く、顕著な体重の増加があり、ナリネ菌による治療後、正常な腸内
細菌叢を持つ子供の数が2倍に上がりました。このように、新生児や授乳期の腸内細菌叢の
予防・治療を目的とした各種疾患の複合治療に、ナリネ菌を配合することで、回復を
早め、腸内フローラを改善することが明らかになりました。 
小児の腸炎についての治験では、患者55名中44名にナリネ菌を服用させ、11名には
他のラクト菌を服用させました。回復率は両者とも高いが、回復期間はナリネが有意に
早く、3日後に回復した被験者はナリネを服用したうちで36名中、8名に回復の兆し
がありました。ラクト菌では6名に回復の兆しがありましたが、5名には変化がありませんでした。
7日後には、ナリネ菌治験者は8名中5名が回復し、
10日後には残り3名のうち2名が回復しましたが、1名は完全には回復しなかった。
いずれにしても44名中43名が10日以内に完全に回復しました。ラクト菌を服用した残り
5名では、10日後には3名は変化が認められず2名が回復しました。3日目に回復傾向に
あった6名と合わせ11名中8名が回復しました。 
更に、抗生物質治療での使用では加療入院日数が減少した。対象群と⽐較してみる
と、ナリネ投与群では1gあたり40%で、10の9乗個のビフィズス菌の増加が
みられ対象群の4%に⽐べ10倍でした。 

出典:Barsegyan st al., 1991; Kuznetsova et al., 1999; Bondarenko et al., 1988;
Kostyuk et al., 1998; Gerald, 2002. 応用薬理、Vol.66 No.3/4 July 2004. 

乳幼児・小児を対象としたナリネ菌の色々な疾病に対する臨床研究や治験は、これ
までにエレバン(アルメニア)、ウクライナ、モスクワにおいて、以下の施設で詳細
に実施されてきた。 
• ソ連健康保健省予防医療研究センター 
• モスクワ医学大学 
• アルメニア共和国医学センター 
• エレバン州立医学大学医療クリニック 
• “Erebuni”研究医療センター 
• エレバン第3、第8私立医療病院 
• 緊急研究医療センター 
• アルメニア保健省小児アレルギーセンター 
• アルメニア小児医療病院 
• アルメニア保健省母子・小児健康予防医療センター 
• アルメニア保健省放射医療研究所